岸本晃とは
ごあいさつ
はじめまして、美濃焼産地(岐阜県)で釉薬の製造・販売を営んでいる岸本晃と申します。
最近は、釉薬のユーザーが作品制作をする上でうまく成果を上げるためのコツやノウハウを教えている時間が大部分を占めています。元々はやきもの産地美濃でプロの窯元や陶芸家から釉薬作りを頼まれて作っていました。やがて、釉薬の小売通販(1997年開始)へシフトして早20年が経ち、これまでに2000人以上の釉薬ユーザーと直接対話をしてきました。そこから感じることがあります。
陶芸は粘土で形を作る「造形」や「絵付け」についてはきちんと学んでおられるのですが、「釉薬」については教えられていないということです。毎日これだけ似たような質問や相談が舞い込むということから、陶芸製作をしている方が釉薬について疑問に感じている事や、よくある失敗例などをまとめて紹介する「釉薬の陶芸講座」を実施してみようと思い立ちました。やってみたら、シニア層に大好評です。作陶家たちのこのような現状から釉薬のプロとしてもっと役立てることがあるのでは?と思い、新たな作陶家支援プログラムを立ち上げます。
釉薬との二人三脚の歴史
■岸本釉薬は父(岸本謙仁)が1965年(昭和40年)に創業しました。
■父は釉薬の専門家であると共に陶芸家でありますので、プロの陶芸家からもよく釉薬作りを頼まれていました。家の中にはやきもののテストピースが沢山あり、それらを真ん中にして窯元や陶芸家の方々と父が話し合っていたのを子供の頃よく覚えています。
■岸本謙仁は、国内のみならずドイツのフランクフルトで個展、パリ市長(元仏大統領のシラク氏)の発案でNHK主催で開催(1992年)された日本の陶芸家50人に選抜される。その他、ニューヨーク・バークコレクション収蔵、イェール大学美術館収蔵など国際的にも活躍。国内では、うめだ阪急、日本橋高島屋、日本橋三越などで個展
■私岸本晃は2代目として、釉薬製造業を引き継ぎました。10年ほどは地元美濃焼産地内で窯元や陶芸家から頼まれて釉薬作りをしていました。やがて小売通販を開始しました。
■通販開始後は毎日届く質問や相談の対応に追われる。
■釉薬ユーザー向けのアフターケアの自主企画イベントが陶芸専門誌「陶遊」から取材を受ける。その直後に釉薬の連載を依頼される。
■釉薬の連載は読者からの反響が大きく、40回続く長期連載に。
■似たような質問や相談が多いことに気付き、それらをパッケージ化した釉薬の陶芸講座を実施する。
■釉薬の陶芸講座は、東京・埼玉・前橋・厚木などの関東地区の他、名古屋・大阪・姫路などで開催。講座の受講者は1000人を越える。
雑誌連載
最初6回契約で始った釉薬の連載が、読者からの反響が大きく40回続く。
国鉄のキャンペーンポスター
創業者 岸本謙仁が薪窯の窯焚きに励む様子が、国鉄のキャンペーン・ポスターに採用される(1979年頃)。
岸本釉薬の強み
■日本最大の陶芸産地美濃で、プロの窯元や陶芸家から依頼される釉薬作りを50年以上にわたり行なっている専門性の高さ
■小売通販を始めてからユーザーが全国に散らばってからも、あちこちへ出張し、現場のユーザー2000人以上との対話を繰り返す。
■釉薬ユーザーを集めてのイベント「釉薬なんでも相談会イン埼玉」は20年前から毎年開催。遠方からの参加者も多い。
■読者からのご質問に答える釉薬の連載記事を、陶芸専門誌「陶遊」に40回に渡り執筆。
■技術やノウハウを教える釉薬の陶芸講座をメインに行なっていますが、時代の流れに対応した講座にも臨機応変に対応しています。
■海外の陶芸制作者向けの「志野焼き」講座(クール・ジャパン・プロジェクト・2009年7月25日)
■※ESD講座「美濃焼の伝統継承と未来への働きかけ」というタイトルで、名古屋市立大学や中部大学で発表(2014年2月・10月)を行なう。
■ユネスコESD世界会議が名古屋で開催され、分科会に参加しました(2014年11月11日・名古屋国際会議場にて)。
※ESDとは、持続可能な発展のための教育という意味。分かり易く言いますと、孫に残したい地球のための教育という意味です。
釉薬のプロとして目指すこと
釉薬を効果的に使う実用的な知恵がもっと広まり、当たり前に嬉しい成果がどんどん出る土壌を作って行きたいと思っています。
これまでに助言をした方や釉薬の講座の受講者からは、嬉しい成果報告を沢山頂いております。この活動を加速して行きたいと思っています。
通販の釉薬ユーザー2000人以上と対話を繰り返し、釉薬の実用的な知識がまだまだ浸透していないと実感しています。これが現状です。
陶芸雑誌での釉薬の連載はとても反響が大きく、ご質問やご相談をするために日本全国から作陶家の方々が岐阜の当店まで訪れます。
陶芸材料としての粘土や釉薬は簡単に手に入るインターネットの時代ではありますが、それらを上手に使いこなす知識やノウハウが無いために同じ陶芸材料を使っていても成果にばらつきがあるのが現状です。
著書・メディア・資料など
■陶芸雑誌「つくる陶磁郎」24号 P,14~P,23 岸本謙仁が作陶している「黄瀬戸」「瀬戸黒」「織部」「青瓷」についての技法の公開
■陶芸雑誌「陶遊」21号 P,58~P,62
岸本釉薬が開発した稀有な釉薬「曜変ラスター釉薬の魅力」について
「まるで夏の夜空の打ち上げ花火」と紹介される。
■陶芸雑誌「陶遊」70号 P,86~P,93
さいたま市の陶芸財団会館で開催した自主企画イベントが取材される。
■陶芸雑誌「陶遊」76号 P,54~P,58
様々な織部の焼き物解説とよくある失敗例と改善策について
■JAPAN TIMES 1999年7月10日
岸本謙仁の青瓷の香炉の作品の魅力について
■陶芸雑誌「陶遊」に釉薬についての連載記事を40回に渡り執筆。
(107号~147号)
■ 陶芸雑誌「陶遊」106号 「釉薬なんでも相談会」の様子。
■国立新美術館3F講堂にて、「市販釉薬の失敗しない使い方」という題で陶芸文化振興財団の会員様に講座を実施(受講者約100名)。
■埼玉県の秩父特別支援学校にて、釉薬の実演・研修を実施(2008年8月6日)。
■毎年8月に東京・浅草にて「釉薬の陶芸講座」を実施。